オススメ・アルバム

〈 g e n r e 〉

ジャケが、、キングクリムゾン/宮殿

クリムゾンの連中は今も宮殿で暮らしている?

実は僕、文通している方がいます。素敵な方ですが変な関係ではないですよ。アメリカに居住の音楽友達です。
その方が珍しくプログレッシブロックにお詳しい。

鼻歌で「風に語りて」を歌ったりするらしい(笑)
だからこその得難い友達なのですが。
風に語りて、「I talk to the wind」超名曲ですね。これが入っているアルバムと言えば、「宮殿(In the Court of the Crimson King)となります。カッコ内の"In The Court Of The Crimson King"が正しいタイトルですが、僕は「宮殿」という邦題の方が何とも言えないイメージを感じますね。

すこし野暮ったくて、生暖かく適度に湿っているというのか。

それにしてもこのジャケットです。僕のCD評に登場する「レコード・ユキ」。いつも少し機嫌が悪そうな、そして微妙に可愛いお姉さん。彼女の立っているレジにこのレコードを持って行くのか実に、何と言うか大変な気持ちでした。(当時、釜石市のスポーツ用品店「田丸」の傍に在ったと記憶しております。)
ピンクフロイドといい、クリムゾンといい、何故にこうもガイキチオヤジがお好きなのでしょうか?この真っ赤な顔、口をあんぐりと開けてノドチンコまで見えております。この顔色、どうしたって血圧ヤバそうですよね?ジャケに登場している場合じゃないす。すぐに病院に行った方が良さそうです。
1曲目の「二十一世紀の精神異常者」からすればジャケのイメージ通りですが、他の曲が美メロ揃いなだけに今でも違和感があります。でも、インパクトが凄いですね。国産アルバムでは難しいデザインかも知れない。

プログレ界のご多分に漏れず、メンバーチェンジの多いバンドですが、ファーストアルバムの本作ではベーシストがグレグ・レイクですね。彼は、結果的にELPに落ち着くわけですが、決してクリムゾンに合わなかったというのではないです。むしろ後発のJ.ウェットンよりも僕は好きですね。
J. ウェットンは決して下手ではないけれど、何時も声が苦しそうで、僕は喘息でひどい目にあった少年時代を思い出してしまいます。ベーシストとしてもグレグ・レイクの方が好きです。ですが、このベースがロバートフィリップの気に入らないところだったらしく、脱退(クビ?)の大きな要因とも言われております。

2作目「ポセイドンの目覚め(In The Wake Of Poseidon」ではベースがピーター・ジャイルスにチェンジされています。因にこの2作目のジャケはなかなかの秀逸だと個人的には思います。

ベースはこのユニットの鬼門というのか、次から次へと変ります。よく隠れた傑作と評価される「アイランド(Islands)」では、ボズ・バレルのヴォーカルを推すクリムゾンファンも多いですが、彼もまたベーシストであり、その後、バッドカンパニーへ参加することになります。因に彼にベースを教えたのがロバート・フィリップであったということです。


余談なりますが、この中でも特に人気のある「エピタフ(Epitaph」はザ・ピーナッツがカバーしており、これはYoutubeで聴くことが可能です。なかなか凄い世界ですよ。演奏も忠実にコピー(特にドラム)しているところがり、ピーナッツのお二方の歌がまた素晴らしい。
和風「エピタフ」是非に、ご試聴トライしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=Y21_bGNsKVo

原曲のイメージをちっとも損なっていないと思います。しかもライブ。良き時代ですね。西城秀樹さんやフォーリーブスも歌ったそうです。

このアルバムが名盤と言われる理由は、ジャケデザインを含めその要素は色々だと思いますが、突き詰めれば分かりやすい旋律ということになると思います。
語弊があるかもしれませんが、浪花節、更に語弊を恐れずに言えば演歌調と。

「宮殿」から始まったこのユニットは 「RED」を区切りに活動を停止するわけですが、この分岐点となるアルバムは、三人(R.フィリップ、B.ブラッフォード、J.ウェットン)で成立させております。これが先々再生されるクリムゾンの萌芽と捉えることが出来るかもしれません。新しいクリムゾンは(僕個人としては)理想的なメンバーで構成されておりました。トニー・レヴィンビル・ブラッフォードのリズム隊を主軸とし、エイドリアン・ブリュー。そしてクリムゾンの歴史そのものであるロバート・フィリップ。クリムゾンの長き歴史の中でもこの時期が最良だったように思います。
ミニマル、ポリリズムを多用し、よりソリッドで隙間の空いたサウンドでコンセプトを明確なものとしました。黎明期と比較するとこれが同じバンドか、と疑ってしまうほどに異なるサウンドです。僕はどちらかと言えば新型クリムゾンの方を好みますが、それでもこのバンドの根底に横たわるのは、紛れもなく「宮殿」なのだと思います。

 

本作はサックスやフルートなどの管楽器を配置して、全体としてカラフルな色調です。ドラマーのアプローチはジャズに触発されているのか、ロックの括りだけでは語れないセンスが散見されます。また、とにかくどの曲も旋律がキレイです。この分かりやすいキレイな旋律が在るところがクリムゾン初期の良きポイントだと思います。

広告を非表示にする