ピアニスト・タカの脱線CD評

筆者はFLAT1-22・天然キーボード奏者の脱線転覆の珍説が脈絡なく展開!

これで足りてしまう?-ウニタミニマ/世界の縁

ウニタミニマ/世界の縁(へり)

やれやれ、とうとう僕の本丸に突入ですか(笑)

ウニタミニマ!!!!!

若い頃、とても好きだった。そして久しぶりに(数十年ぶり)聴いたら更に好きになっていた。

これが遠い昔の音楽?

冗談じゃない。この音楽は今も生き生きと聴き手の心に響く。

2人だけで完結する人力ユニット。音楽の基調となっているのはバンド名通りに間違いなくミニマルミュージックが在る。

ミニマルとは、スティーブライヒやフィリップグラスに代表される現代音楽の要素のひとつでです。まあ、この辺は認めない評論家も少なくないですが、そんなことはどうでも良いことかも知れません。

僕はミニマルはやりようによっては楽しく、イメージ表現の大切な要素のひとつと認識しております。

(ミニマルは小さな単位のシンプルなパートを楽器の出し入れ、音色変化等による変化によって進行させる新しい試みです。つまりクラシック一般音楽に反目する、反動として出て来た音楽という捉え方も出来ると思います。)

このウニタミニマは、近藤・ピアノ/れいち・ドラムからなるバンドですが、実は既に今はない西武百貨店内に在ったスタジオ200で彼らのライブを聴いたことがあります。

ですので、このアルバムの殆どの作品は耳にしたことがあり、聴いていて懐かしく気持ちよく、そして相変らず「スゲェ音楽!!」と腰を抜かすわけです。

ピアノのフレーズ、リズムのアプローチ、そして実に小気味よくあんな小柄な女性がと信じられない"れいち"のドラム。

そのドラムは、既成の影響を感じさせない彼女のオリジナルであり、どちらかというキーボーディストが頭を捻って考えたリズムボックスでプログラムしたフレーズに近い、という気もする。

やはり楽器というのは、変に偏らず、あらゆるジャンルからその基礎を構築し、白紙の状態から組み立てを行った演奏家のものが僕個人は好きです。

ひとつだけ気になるのは中盤辺りで若干のパワーダウンと2人の歌に疲れが見て取れることです。音程が下がって来る(笑)しかし、持ち直して後半また凄くなると。

それだけにほんの少し落ち込んだ数曲が惜しいところです。

個人的にはタイトルの「世界の縁」と「」が良いように思います。「世界の縁」の"れいち"のドラムはカッコイイです!

またシンセの使い方(曲で言うと「オルガン」のような)も今も昔も形にハマった使い方しか出来ないアーティストを嘲笑うかのようなスカッ!とするシンプルかつ素晴らしいサウンドセンスです。ピアノ以外に何かキーボードで絡ませるのならこうだろう!というお手本のような才知を感じるところです。

これがこの国のJ-POPの標準だったらと思います。決して難しくないし、素直に聴けば誰でも楽しく感じられる筈。

是非、お試しあれ!!!!