ピアニスト・タカの脱線CD評

筆者はFLAT1-22・天然キーボード奏者の脱線転覆の珍説が脈絡なく展開!

Beatls/Revolver(リボルバー)ー 平伏するしかない?

今更ではない!これからのビートルズ。

ビートルズ・アルバム評の第一弾は「Revolverリボルバー)」となります。
僕のイチオシと言えば「Revolver(リボルバー)」です。これは全く迷わずに。

 小学生の僕にとって、ビートルズ初体験はあまりに強烈だった。
Get Back
特にコレ。過激過ぎた!!!!
叔母の家で聴かされたビートルス。
「Let It Be」例の有名なジャケット。ビートルズを初めて聴いたのがこの最後のアルバムだった。リボルバーを聴いたのは高校時代、5年後となる。

釜石市両石町にあるこの家は津波でもうありませんが、心の中で普通の状態で生きてます。自分にとって大切な人、モノ、馴れ親しんだ景色、例えこの世からなくなっても心の中に在る限りは消失したことにはならないのだと思います。
聴いて腰を抜かしたというのなら、やはりビートルズかピンクフロイドということになるでしょう。
それにしてもビートルズ、最近気になるのが不思議。
でも、冷静に考えると、僕にはビートルズ周期というのがあって、それが今、来ているのかも知れない。オリンピックとか、皆既月食とかと同じように。
ビートルズが数多のバンドと一線を隔てているのは、その実験精神に在ると思います。それは、子供の好奇心同様に止まることを知らない。そして、それでいて変に奇天烈にならず、誰が聴いても気持よくなれるところが素晴らしいのだ。1曲はとても短く、言いたいことだけを言うと勿体付けないで、あっさりと終わってしまう。中には途中で止めたような曲もあって笑ってしまう。大体が2分とか3分とか、という尺の短さだ。彼のスティーヴン・キングは序章において「作家にとって短編こそが難しいのだ」と述べた。どこか通じるところがあって興味深い。

彼らは、変にアカデミックになったりしない。
むしろアカデミックをちゃかしたりするセンス。背後からこっそり近づいて"コチョコチョ"とくすぐるような罪のないパロディ精神。
マエストロ・レナードバースティンをして「ビートルズの音楽はバッハの美しさに比肩しうる」
実に痛快じゃないか!!

さて脱線も甚だしいですね。本作のベストテイクは、、、
これは、何と言っても「Tomorrow Never Knows」でしょう。
実にカッコいい。この音楽造作には全くもって呆れてしまう。リズムマシンのように変化を回避したドラムのリフと、SE(テープ使用?)の織り成す新世界だ。
僕の中のビートルズでは、突出して現役バリバリの曲と言える。本作は前作となる「Rubber Soul」、その後にリリースされることになる「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」「Magical Mystery Tour」に挟まれた格好だ。そして後発2作はアルバムカラーが似ており、しかもビートルズの最高傑作と評する場合が多い。その理由からなのか若干"隠れた名作"的なところがあって、ポツンと離れたところに佇む印象を、僕は持っている。

どのアルバムがビートルズの最高傑作とするか?

よくネタにされるけれど、もしかするとあまり意味を成さないかも知れない。自分にとって最高傑作であればそれが最高傑作なのだと思う。作品を重ねて点数を出すような寒いやり方だったら間違いなく「The Beatles(通称:The White Album」となるだろうか。しかし、敢えてこのページで「Revolver(リボルバー)」を取り上げたのは、本作がアルバムの出来具合とは別に持っている、独特な風合い、透明感みたいなものからです。これは他のアルバムでは感じられない特長です。他より手触りが冷たく、涼し気で、アルバム全体として何かひとつのイメージがある。これは個人的な見立てです。こういった自分なりのイメージをアルバムに持っている人は特にビートルズの場合多いと思いますし、その想いは熱く強いものと容易に想像出来ます。ビートルズなので、誰でも知っている曲が数曲入っています。「Eleanor Rigby」「Yellow Submarine」等。

しかしこのアルバムは、中心となる作品の脇を固める楽曲に驚くほど美しい旋律をもつ「Here, There and Everywhere」「For No One」が置かれていることがポイントとなります。
余談ながら、東京ドームで行われたローリングストーンズのライブで、ビートルズのビデオがオーロラヴィジョンに映ったことを時折思い出す。
このコンサートがビートルズだったら(ストーンズファンには申し訳ないけれど)と思うと泣けて仕方がなかったです。先頃ポールが来日しましたが、ポールひとりでも行けば良かったかなぁと、少し後悔。
ジョンもジョージもこの世に居ないということが、とても寂しいです。
しかし、これだけの作品を残してくれております。これからも、折に触れて聴いて行きたいものです。