ピアニスト・タカの脱線CD評

筆者はFLAT1-22・天然キーボード奏者の脱線転覆の珍説が脈絡なく展開!

Aki Rissanen「Another North」ピアノトリオ新次元!

 

昨今最も注目しているピアノトリオです。
久しぶりに執筆?いたします。まずその前に宣伝させてください。
9月30日私のバンド「FLAT122」のライブが東京倶楽部・水道橋店にてございます。昼15時からスタートです。共演は梅垣ルナさん率いる「ルナユリカオリ」です。美女三人対音楽修行僧三人、トリオ同士は戦う前から勝負が決しております、笑 よろしくお願いいたします。

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さて、、ピアノトリオと言えば長らく「フロネシス」だったわけです。しかしほぼ完全にこちらにとって代わりました。
この二つのトリオを比較するとピアノトリオと言う編成は共通ながら、フロネシスがジャスパー・ホイビーというウッドベース奏者が中心となっているのに対し、こちらはアキ・リッサネンが中心となります。それはバンド名にも表れておりますが音楽にもハッキリと違いが出ております。
私がこのバンドを最初に聴いて感じたこと、それはジャズが間違いなく新たな次元に入ったこと。ビルエヴァンスから始まり、チックコリア 、ハービーハンコックと来るわけですが、そうしたジャズフュージョンの世界からはかなり遠いところに位置したサウンドだと思う。そしてテクニックというものが、聴かせるためにあるのではなく表現のツールとしてあるのだという朧げながらではあるけれど語られている気がする。ピアノの弾いている音使い、ラインはクラシック音楽、それも近現代の影響が色濃い。しかも、それが高い次元で吸収されほぼ彼の音楽に置き換わった形で創出されているように私には聴こえる。これを聴くと、フロネシスの音楽はまだ若く、テクニックが一人歩きして稚拙な感じを受ける。ライブで客を圧倒するのには良いかも知れないけれど。本作以外にもYoutubeでライブ演奏を聴いてみると、このトリオの即興性、特にベースとピアノのアプローチをどのように考えサウンドに結びつけているのか、とても興味深い。ピアノが弾いている内容は作品にもよるが、コード表記にはあまり向かない(もちろんこじ付け的に表記は可能だろうけれど)非常に微妙な部分が多く、またその多くは意図的に音がぶつかっている。バルトークとか、ストラヴィンスキーみたいである。自分の音楽を可能な限りピュアなものとして、作り上げる時、また研究材料とする時、クラシック音楽ほど向いているものはないだろうと思う。それは古典から近現代まで全てにおいて。時代と存在の近い他の音楽では、バンド音楽にスタイルが投影されてしまって、本当のオリジナルという境地には立てない気がする。と言うようなことを考えさせる。音の使い方が独特で、この人ならではの数理的なルールがあるようでもあり、何度聴いても飽きない。
もしかすると、このバンド内でのみ通用するようなルールが組み上げられているか、ピアノの大体の方向性を示した譜面が用意されて、ベースとドラムに解釈を委ねているのか、かも知れない。どちらにしても、ベース奏者のスキルの高さを伺わせると言うことになるのか。今のところ何度聴いても飽きないので、このバンドは後1枚あれば良いかな?と言う気もするが、何か大きな変化が先々あっても良いかも。電気の大幅な導入とか、電子ではなく電気ですね。電気は私のイメージのみの話ですが、空気が入っているから。電子は平たくて薄っぺらく、表層的な感じがする。シンセの導入はとても慎重な方がいい、サンプラーをイメージ表現で使う方が敷居が低いと。久しぶりに書いたらやはり脱線しました、笑
近況:私も遅ればせながらコロッちゃいました。(板橋成増在住のどこかの下手ピアニストのように)コロナなんてただの風邪じゃん!等と侮ってはいけません。これは、ただの風邪ではないです。病気のことはやはり自分が実際に罹患してから言いましょう。本日4日目ですが、大分OKです。何が酷いって倦怠感以上に喉の痛みです。増えている模様。皆様もどうぞご注意ください。何しろライブに間に合って良かったです!